パブリックドメインとフェアユースの違いをわかりやすく解説
インターネットで画像や文章を使うとき、必ず意識しなければならないのが著作権です。
その中でも特によく混同されるのが「パブリックドメイン」と「フェアユース」という考え方。
この記事では、この2つの違いを初心者にもわかりやすく解説します。
パブリックドメインとは?
**パブリックドメイン(Public Domain)**とは、著作権の保護が終了し、誰でも自由に使える状態になった著作物のことです。
特徴
- 著作権が消滅している(例:保護期間満了)
- 誰でも自由に利用できる(商用利用・改変もOK)
- 引用表示は不要(ただし出典を示すのが望ましい)
具体例
- 夏目漱石『吾輩は猫である』(保護期間終了)
- モーツァルトの楽曲
- 権利者が明示的に「放棄」した作品
👉 イメージすると「著作権の川を渡りきって、みんなが自由に使える広場に出た作品」です。
フェアユースとは?
**フェアユース(Fair Use)**は、著作権がまだ存続している作品でも、一定の条件を満たせば権利者の許可なく利用できる仕組みです。
特徴
- 著作権はまだ有効
- 公益性や利用範囲を考慮して例外的に利用可能
- 主にアメリカの法律で使われる概念
- 日本では「フェアユース」という包括規定はなく、代わりに引用・教育利用・私的複製などが著作権法で個別に定められています
判断基準(アメリカ法の例)
- 利用目的(教育・批評・報道など公益性が高いか)
- 利用の性質(営利か非営利か)
- 利用部分の量や質(全体の一部か、作品の中核部分か)
- 市場への影響(利用で本来の市場価値を損なわないか)
👉 イメージすると「著作権のある家から、許される範囲でお皿を一口借りる」ようなものです。
パブリックドメインとフェアユースの違い(比較表)
| 項目 | パブリックドメイン | フェアユース |
|---|---|---|
| 著作権 | すでに消滅 | まだ存続 |
| 利用条件 | 完全に自由 | 公益性や利用範囲で制限あり |
| 例 | 夏目漱石の小説、モーツァルトの楽曲 | 教育での教材利用、批評のための引用 |
| 日本での位置づけ | 保護期間切れ作品に適用 | 「引用」などの例外規定に相当 |
利用シーンの具体例
- パブリックドメイン
- 夏目漱石の小説を翻案して新しい小説を書く
- モーツァルトの楽曲を編曲して販売する
- フェアユース(日本では引用規定など)
- 新聞記事の一部を批評目的で引用する
- 授業で教材として一部利用する
まとめ
- パブリックドメイン=著作権が消えて「誰でも自由に使える」状態
- フェアユース=著作権は残っているが「一定条件なら許される」制度
覚え方は、
- パブリックドメイン → 「パブ=みんなの物」
- フェアユース → 「フェア=ちょっとだけ借りる」
著作権に配慮した正しい理解は、安心してコンテンツを発信するための第一歩です。ぜひ今日から意識してみてください。

